人間時計のオチ

図書館 愛書家の楽園

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人間時計小説、いちおうおしまいまで訳したが、落ちが意味不明。主人公が何かを見て驚くのだが、その「何か」が何なのか作者はわざと書いておらず、暗示さえしてないから。
いってみれば「テーブルの上にあるものは食べ物とはかぎらない」と書くだけで、実際にテーブルの上に何があるのかはまったく描写しない、そんな感じ。それとも当方の語学力不足のせいなのだろうか。

本の雑誌」の今売っている号に、「ニコルソン・ベイカーは実は偉い人だった」と書いてあるのを見て、以前まったく同じことを『図書館 愛書家の楽園』の読書中に感じたのを思い出した。時間を止めてスカートの中をのぞくとかそんな小説ばかり書く人かと思っていたら、なかなかどうして偉い人なのですよ。