積読を避けるコツ

(これまでのお話)『本の雑誌』2月号を読んだプヒ氏は、年が明けてまだ一冊も本を買っていないことを反省した。そこでさっそく本屋に出かけた。そこで買ったのが去年買い逃していたこの本 ↓ である。
 

 
買った本を積読にしないコツ。それは「一度に一冊しか買わない」ことである。特にこのような年寄りが読むには赤裸に恥ずかしい本は、カムフラージュに何かあと一冊か二冊買いたくなるものだ。しかしそんな買い方をするとたいてい積読への片道切符となる。

そこでグッとこらえて、「この本の帯に『しまむら、八歳』って書いてあるけど別にロリコンじゃないですよ」とか口に出して言うとなおさら変になるから、「孫に頼まれたんでしかたなく買うんです」みたいな顔をとりつくろって、『安達としまむら 11』だけをレジに差し出した。

ストーリーは事実上8巻で終わっているので、今回は拾遺エピソードの集積。開巻いきなり安達としまむらのイチャイチャではじまる。


 
他人のイチャイチャしているところを見るのは非常に楽しいというわけではない。どちらかというと気恥ずかしいので、ここらへんは適当にスルーする。しかし全体的にはとても面白い構成になっている。8歳、15歳、18歳、22歳のしまむらの夏のエピソードが断片的に次々語られ、時空連続体というか、あたかもしまむらがタイムスリップを重ねているかのようでもある。やっぱり入間人間は小説うまいなーと思った。中でも22歳のときのエピソード——しまむらが安達を連れて国内旅行(浅草?)に行ったら、中学時代の先輩(女)が金髪で人力車を引いているのにバッタリ出くわし、二人して安達を取りあうシュールなエピソードが最高にいい。