奇しき因縁

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このブログを見てくれている人のなかでニュー・トロルスというバンドをご存知の方はどれくらいいるだろう。オーケストラと共演している『コンチェルト・グロッソ』というアルバムで有名なイタリアのプログレッシブロックバンドである。

それにしてもプログレッシブロックは本当に老人の聞く音楽になってしまった。上に貼り付けたニュー・トロルスのコンサート風景を見ても観客席はイヤになるほどジジババで埋め尽くされている。ジャズのリスナーよりも平均年齢は上だろう。5ちゃんねるのプログレ板を見ていたら、最近のコンサートは二時間や三時間は平気で続くので、粗相をしないように老人用おむつを履いていくという人がいた。ステージで演奏している人もおむつしてるんじゃないかと思われるふしもないではない。よくも悪しくもそういう年齢層に支えられたジャンルなのである。

なんでこんな話をしているかというと、そのニュー・トロルスの『コンチェルト・グロッソ』の中にAdagio (Shadows)という曲があって、そこでシェイクスピアの一節が引用される(上に貼り付けたYouTubeだと21分38秒目のあたり)。ところがこの秋か冬に他の方々と共訳で出るはずの本のわたしの担当部分にまさに同じ一節が引用されているのである。なんという奇しき因縁だろう。シェイクスピアの引用というといつもなら小田島雄志訳を使うのだが今回は奮発して坪内逍遥訳を採用し、他の部分もいつもにも増して気合を入れて訳した。