*
かたじけなくも円城塔さんにお褒めの言葉をたまわった「クワエウィース?」も増刷してお目見え。
ちょっと後書きから引用します。
*
訳者はこれをはじめて読んだときレーモン・ルーセルとの類似に嬉しくなったことを覚えています。メカニズム愛好癖、物語の舞台の人工性、異化される言葉(Quae vis?とは本文中にあるように「汝は何を望むか」という意味のラテン語ですが、ここでは疑問符をつけたままで家や通りの名になっています)、歴史的人物の唐突な参照、無駄に克明な描写、三題噺で作り上げられたかのような流露感の乏しい、しかし機械のように進行するプロット、落ちているのかいないのか判然としない結末など、両者は多くの点で共通のものをもっているのではないでしょうか
*
まあそういった物語です。
*