幻想と怪奇来たる

縁あって『幻想と怪奇1』のご恵送にあずかりました。
どうもありがとうございます。

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紀田・荒俣両巨頭による創刊の辞、北原尚彦氏のイントロダクションに続いて、いきなりアーサー・マッケンの短篇登場! いやー実にわかってらっしゃる! やはりアーサー・マッケンは不滅ですよね。牧神社版の作品集成には、「カーリオン版全集をもってマッケンの作家生命は終わったものと考えています」とか何かそのようなことが書いてありましたが、まったくそんなことはない! とここはあえて平井翁に異をたてたいと思います。後期の作品群は派手派手しさがないぶんそれだけ身に染みて迫るものがあります。なかんずく拙豚の愛するのは "Dreads and Drolls"という本で、これは今でいう怪談実話のはしりみたいな作品集です。後にタルタラス・プレスから増補版がでましたが、ちょっとこれは肥大しすぎています。やはりオリジナルの薄いののほうが精選されていていいですね。南條さん訳してくれないかな……
 
……とこういうことを書いていてはいつまでもマッケンから先に進まないので、一気に巻末の『リトル・ウィアード』座談会へ。荒俣宏氏と知り合ったころの平井翁といえばもうけっこうなお年だったはずなのに、「平井先生はすごく本を買うんですよ」という発言があってたまげます(ここで「本」というのは洋書のこと)。当時リトル・ウィアードの面々は平井翁の代行で海外の古書店に注文してたようなのですが、「『いつ原稿料が入るからそれまで貸しておいてくれ』なんて、高校生のわれわれが立て替えていた時期もありました」みたいな衝撃の告白もあります。高校生にたかる平井呈一……

最後の『リトル・ウィアード総目次』も作品選定の目の確かさがすごい。われわれは(というよりわたしは)まだ荒俣宏の掌から抜け出ていなのではないかとの感しきりです。