大いなる回帰

ウロボロスの純正音律

ウロボロスの純正音律

 
90年代ミステリベスト3といえば、これはもう言うまでもなく、

1.ウロボロス偽書
2.夏と冬の奏鳴曲
3.魍魎の匣

もちろん読み残しは多々あるのだが、たぶんこの三冊で動かないと思う。万一「お前はこんなドエライ傑作を忘れてるではないか」というのがあったら教えてください。
さて、そのウロボロスシリーズの悼尾を飾る「純正音律」を遅ればせながら読んだ。
おお凄い凄い。蛇はまさしく自らの尾を噛んでいる。真相は探偵役の作品の中で、すでに赤裸々に描写されていたではないか。あるいはミステリ史の淵源の中にも。
いずれ「ウロボロス三部作論」というのを300枚くらい使って書きたいものなり。