限度なんですよ


昨日とりあげた作品は戦後まもなく書かれたものだが、作中の事件は昭和十二年に起こったとされている。なぜこの年にしたのか、作者はある対談でこう述べている。
「十二年が限度なんですよ。十二年に日華事変が起こっているでしょう。それまでは、わりに自由だったわけです」
苦しい時代を乗り越えてきた長老ならではの重みがある言だ。願わくば将来の作家が、「平成二十九年が限度なんですよ」などと言うことがありませんように。