伊藤人誉「人誉幻談 幻の猫」(亀鳴屋)

もうずいぶん前に読んで、感想を書こう書こうと思いながら、機を逸してしまった本です。ぼやぼやしているうちに、いろいろWeb上で書評が出てきました。なかなか好評なようで拙豚も嬉しいです。とりあえず遇目したもののみリンク(順不同)

「幻の猫」書評リンク 


拙豚自身の感想はうまくまとまらないので箇条書きに。

・良質のghost story集であります。(このghostという言葉の意味については、「伝奇ノ匣」収録のハーンの講義を読むべし)

・日影丈吉の幻想的短編に似た味わいを持っていると思いました(「夢の播種」とか)。日影ファンならば読んで失望することはまずないでしょう。

・文体は柔若ながら、感傷に溺れぬ物語の運びがここちいい。内にこもるstand aloneな精神が尊いと思います。

・表紙の、足をぴんと伸ばして歩く猫がカコイイ。ああいう歩き方をする猫はあまりいません。