小栗虫太郎の家庭小説

 小栗虫太郎の未発表小説が発見されたというので、さる界隈は蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。NHKの「おはよう日本」でとりあげられることは事前に本多正一さんに教えてもらっていたのだが、あいにくわが陋屋にはテレビがない。正確にはテレビを置く場所がない。昨日も書いたように「柔らかそうな本の上にでも座ってください」状態なので……

 それはともかく「ほかの作品とは作風が全く異なる家庭小説」というのが期待と不安をそそる。小栗の家庭小説というのがうまくイメージできないが、サザエさんでいうとこんな感じなのだろうか。


1.おーい磯野、降矢木家行こうぜ~と近所の友達がカツオを誘う。

2.サザエさんが町内会の芝居でホレイショに扮する

3.波平がチントンシャンと音曲思案にふける

4.お父さん、あたしだって人の子よ! とワカメが波平をなじる

5.フネがタラちゃんの手をとって「亡き子をしのぶ歌」を弾く


 それとも『女人果』みたいなパッチワーク作品か。あるいは乱歩・正史合作の『覆面の佳人』がそうだったような涙香風の翻案なのだろうか。しかし『覆面の佳人』といい、今回の作品といい、昔の地方新聞というのは何が出てくるかわかりませんね。

 問題の『亜細亜の旗』は今月中に春陽堂書店から刊行される予定。すでに予約が開始されている。あの春陽堂書店から、というのがうれしいではないか。