「私の男」をめぐって2(マイナス・ゼロの巻)

私の男

私の男

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「私の男」では時間は逆行するばかりではない。どうやら循環もしている。第一章でのヒロインの年齢が24歳、そして最終章での「私の男」の年齢が25歳なのは偶然ではあるまい。人によってはドン引きする「おかあさぁん」も、やはりあれがあそこになければ、ミッシング・リンクになってしまう。それは広瀬正「マイナス・ゼロ」に出てくるある人物が自分の母であると同時に自分の娘であるのと同じだ。存在の環。

とはいうものの、サーキットをぐるぐる回るには、どこかにスタート地点がなくてはならない。場合によってはエンド地点もなくてはならない。つまり時間というサーキットへ入る入口と出る出口だ。この作品でその役を果たしているのははじめにして終わりであるところの「海」である。

ヒロインが孤児になったのも海のせいだし、例の犯罪も海が一役買っているし、私の男は海上保安官だし、男を失うことになる新婚旅行先だってフィジーだ。すべては海からやってきて、循環のあげく海に消えていく。
 
 
(ナイショの話)ああこんな文章ならわりと書けるのになぜROMの原稿は書けないんだろう! 明日こそは早起きして書こう。絶対に書こう。ちなみに次号は翻訳だけで200ページあるという物凄いボリュームなんだそうだ。