この輝かしいサインを見よ!

国書刊行会史上初の発売前増刷を達成したという『迷宮遊覧飛行』。前に『アフター・クロード』でアマゾン順位三ケタは初めて見たとこの日記で書いたら、『三ケタなんてしょっちゅうだ!』と版元からお叱りをいただきましたが、さすがに発売前から三ケタというのは初めてではないでしょうか。わたしが見たときは400位くらいでした。

そんなふうに大人気なので、倉敷の蟲文庫にお邪魔したとき、売り切れになっては困ると思ってすかさず予約しました。その際ずうずうしくもサインに為書きをお願いしてしまったのでした。

山尾さんには不義理を重ねていて、『ワルプルギスの夜』の帯の文章を書いていただいたのにろくにお礼の言葉も言っていませんし、日本SF大賞贈賞式にも欠席するし、そして最大の後悔は『記憶の図書館』を献呈しなかったことです。校了のあとで痛恨のエラーが見つかったので、つい献呈を躊躇ってしまったのです。だってほら、中井英夫だって、「捧げものは一行でも腐っていてはならない」と言っているではありませんか。でも今では猛烈に後悔しています。

そんな不義理にもかかわらずサインをくださった山尾さんには感謝の言葉もありません。いずれ捧げものにふさわしい会心の翻訳ができましたら、謹んで供物としたいと思っています。

そしてここからは自慢なのですが、この本にはその『ワルプルギスの夜』の帯の文章も収録されているのですよ。蟲文庫にお邪魔したときも、「これはわたしの翻訳の帯の文章なんです。どうですすごいでしょ」と店主の田中さんにさんざん自慢しまくったので、さぞ「変な奴がキタ――(゚∀゚)――!!」と思われたことでしょう。まあ実際変な奴なのでしかたがないのですが。