種村主犯説

 種村季弘の『ビンゲンのヒルデガルトの世界』を読んでいたら、またもや「なんなら」の新用法にぶつかった。こちらは1994年の刊行だから、先日とりあげた『畸形の神』よりさらに早い。
  
 
f:id:puhipuhi:20210314093935p:plain
 
 
 ここでは「なんなら」は「場合によっては(ドイツ語でいうと unter Umständen)」の意味で使われている。つまりこれはNHK放送文化研究所のサイトで槍玉にあがっている「カレーがほんとに好きで、なんなら毎日食べてます」という「新用法」と同一である。

 「すべからく」唐十郎起源説と並んで、「なんなら」種村季弘起源説がますます濃厚になってきた。澁澤サークルというのがいかに風俗を紊乱する怪団体であったかは、この一事をもってしても明白ではなかろうか。未確認情報ではあるが、その親玉も風俗紊乱のかどで前科一犯くらっているらしい。


 
 話変わってこちらは『合成怪物(合成脳のはんらん)』で政府御用機関が関連団体に便宜をはかっている場面。
  
f:id:puhipuhi:20210314094007p:plain
 
 とても70年前の作品とは思えません。おりから新訳ブームにのって、なんならこの作品も新訳したらどうでしょう。もちろん「ゴセシケ」の略称はそのままにして。きっとオールドSFファンは大喜びするとと思いますよ。