S蔵書との照合

「プヒプヒ版・奇想天外の本棚」の中で、澁澤龍彦蔵書と共通しているものはどれくらいあるだろうと思って調べてみた。雨の降る朝にはついこういうことがしたくなる。結果は十二冊中五冊。ただしベレンの本で澁澤書庫にあったのは『サバトの女王』ではなく『感覚の貯蔵庫』だったので「奇想天外の本棚」も日和ってそちらに変更した。

しかしこの蔵書目録を眺めるといつも感嘆するのは、本当に必要なものだけが精選されているということだ。しかも慰安のためと思しき本が見当たらない。松山俊太郎邸には「風呂の中で読むための本」というコーナーがあって、日影丈吉のハイカラ右京などが置いてあったらしい。しかし澁澤邸にはそういうコーナーはとてもなさそうだ。そもそもカラスの行水で、本を読む間もなく、あっというまに入って出ていたような気もする。