国書刊行会パンフレットによれば山口雅也氏が「製作総指揮」という、「奇想天外の本棚」があちこちで話題を呼んでいるようです。内容に関しては三門優祐氏のブログ深海通信 はてなブログ版が整理されていて便利です。
こんなふうに実現可能性無視で好き勝手に叢書を企画できるとは羨ましいことです。さっそく真似をしてこれのプヒプヒ版を作ってみました。1970年以前の刊行物に絞って英仏独それぞれ十二冊の叢書です。(年号は原著刊行年。*は短編集。★は英訳あり。※は澁澤龍彦蔵書目録にあり。☆はエディション・プヒプヒ刊行の部分訳あり。)
第一期 ドイツ・オーストリア篇
- パウル・シェーアバルト『ミュンヒハウゼンとクラリッサ*』(1905)★
- パウル・ブッソン『メルヒオール・ドロンテの転生』(1921)★
- ヴィルヘルム・フォン・ショルツ『偶然』(1924)
- ヴィリ・ザイデル『温室の中の神』(1925)
- フランツ・ヴェルフェル『未生者たちの星』(1946)★
- グルタフ・ルネ・ホッケ『踊る神』(1948)
- ヴィル-エーリヒ・ポイケルト『汎知術』(1956)
- フリッツ・フォン・ヘルツマノフスキー=オルランド『さまよえる幽霊船上の夜会』(1957)☆
- ハイミート・フォン・ドーデラー『誰もがおかす殺人』(1964)★
- ペーター・マーギンター『男爵と魚』(1966)★
- ペーター・フォン・トラーミン『窓の中の扉』(1967)
- ヘルベルト・ローゼンドルファー『廃墟建築親方』(1969)★
第二期 イギリス篇
- ジョージ・ボロウ『スペインの聖書』(1843)
- リチャード・F・バートン『ウルティマ・トゥーレ』(1872)
- ジョン・アディントン・シモンズ『ギリシア倫理の一問題/近代倫理の一問題』(1883/91)☆
- オースティン・ドブスン『十八世紀肖像集*』(1892-96)
- ジョン・デヴィッドソン『ラヴェンダー伯爵』(1895)
- フレデリック・ロルフ『自らを象りて*』(1901)☆
- ロバート・ヒュー・ベンソン『ネクロマンサー』(1909)
- アーネスト・ブラマ『カイ・ルンの黄金の時*』(1922)
- アーサー・マッケン『はるけき事ども/おちこち草』(1922/23)
- モンタギュー・サマーズ『ゴシック探求』(1938)
- T・E・ロレンス『ミント』(1955)
- ウィリアム・ベックフォード『フォントヒルの日々』(1957)
第三期 フランスおよびフランス語圏篇
- マルセル・シュオブ『サモアへの旅』(1930)
- モーリス・ルナール『レルヌ博士』(1908)★
- オスカル・ミロシュ『愛のイニシエーション』(1910)★※
- イレーヌ・イレ-レルランジェ『カレイドスコープへの旅』(1919)
- フランツ・エランス『メリュジーヌ』(1920)
- モーリス・マーグル『虎の秘密』(1927)★※
- ピエール・シャンピオン『マルセル・シュオブとその時代』(1927)
- ミシェル・ド・ゲルドロード『妖術*』(1941)★※
- モーリス・サンド『迷路/窓のない部屋』(1941/1943)★☆
- ベレン(ネリー・カプラン)『感覚の貯蔵庫*』(1946) ※
- ジャン・フェリー『機関士とその他のコント*』(1953)★※
- フェリクス・ヴァロトン『コルブオー』(1970)
もちろん(自分の知るかぎり)刊行予定はまったくありません。しかし「競合他社の皆さん、手出しは無用ですよ!」なんてケチなことは申しませんよ。おぼつかない語学力でトボトボ読むより、人が訳してくれたものを読む方が楽に決まってますから。ただし下手に訳すくらいなら訳さない方がなんぼうかましです。