汝90°以上開く勿れ

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 すでにあちこちで話題の『ダフォディルの花』をようやく入手した。装丁といい内容といい、帯に書いてある「うつくし、うつくし、うつくし」が素直に首肯できるような本だった。

 しかし一つだけ残念なのは、綴じが網代綴じであることだ。この造本とこのページ数で網代というのはちと無謀ではあるまいか。

 本を大切にする人はページを九十度以上開かないという。中には四十五度以上開かない人もいるらしい。あるいは全然開かない人もいるらしい。だが日頃思い切りページを開いている人も、この本にかぎっては、240ページと241ページのあいだは九十度以上開かないほうがいい。さもなくば大いなる災厄が汝を見舞うことであろう。まあこういうのは当たり外れがあるから、たまたまこちらが綴じのゆるい本に当たっただけなのかもしれないが……

 こんどIさんに会ったら、「Nさんの次の本は糸綴じにしてください」とお願いしてみようかしらん。それともやはりわたしから言うのは変に思われるだろうか。