暗躍する秘密結社

 
驚異の『マルセル・シュオッブ全集』重版を達成し、Honto年間ランキング七位にランクインさせた某秘密結社の活躍は、読書子のあいだでよく知られているところのものであろう。このたびバベルの図書館分館長より入った情報によると、板橋ロッジの成功に刺激されたか嫉妬したかして、マドリッドロッジでも先月スペイン語版全集が出版されたという。

こうしたロッジ間のネットワークはどうなっているのか、門外漢の身では皆目見当がつかないけれど、ともかく相当緊密なものであることは想像にかたくない。

日本でも『バートルビーと仲間たち』や『ポータブル文学小史』が紹介されているエンリーケ・ビラ=マタスがこの全集の紹介記事*1を書いている。著作の傾向から推して、この人も結社員であることはまず間違いはあるまい。

ところで板橋ロッジではさらに恐ろしい計画が進められているのを世人は知っているであろうか。


いわば『シュオッブ全集』の食玩化によって来たる消費税増を乗り切ろうというのだ。かつてヒュアキントス饅頭で人気を博した特殊版元ならではの戦略ではなかろうか。

*1:もとはここにリンクが張ってありましたが、リンク先のサイトを見るとvvvに感染するおそれがあるため、外しました。【12/6 pm20:26】