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- 作者: スタニスワフ・レム,沼野充義,関口時正,久山宏一,芝田文乃
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2015/05/25
- メディア: 単行本
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『短篇ベスト10』は発売たちまち首位に躍り出て、『スウェーデンの騎士』は25位に大転落、ネオサイタマのはるか後塵を拝することになってしまった。アイエエエ! ショッギョ・ムッジョの響きが耳に沁みる日曜の朝ではある。
この『短篇ベスト10』はレムファンの人気投票を基に構成されたもので、短篇の収録順は得票順になっている。さすがにベストを集めただけあって濃縮レムの趣きがあり、まるでカルピスを生のまま飲んでいる感じだ。もしかしたら今どき生のカルピスなどどこにも売ってないのかもしれないが、ともかくオリジナルの短篇集、たとえば『泰平ヨンの航星日記』なら緩い話も適度に混ざっているのでリラックスして読めるが、精髄だけが集まるとなかなか凄い。レムの凄さを改めて認識した。
「第二十一回の旅」は今読むとなんだか「家畜人ヤプー」みたいだ。巻末に置かれた「テルミヌス」は集中で唯一情緒纏綿(?)としていてほっとした気分になれる。遠未来ゴースト・ストーリーともいえるこの作品は描写の重厚さがすばらしい。これが人気投票で最下位だったのいうのだからわからないものだ。
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