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- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: 単行本
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数日前から開催されていると言われる桜庭ほんぽっ!に行ってきた(紀伊国屋のほう) 。クリーチャーと化したパンケーキとかが展示されているのかと思ったが、そんなことはまったくなく、本しか並んでいない。ちょっと残念。
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「鉄板の十一冊」という選書があって、そのなかに『海と毒薬』があったのが目を引いた、というかわが意を得た。
これは不思議な小説で、およそこの作品ほどレシ(中篇小説)の形式美を土足で踏みにじっているものはないだろう。発端もそうだが、なかんずく顕著なのは、あまりにも唐突なエンディングだ。マンガチックに「ブチッ」という効果音が聞こえるほどの唐突な終わり。それでいて一種異様な感動を読後に残すのである。たぶん作者が意図したであろうヒューマニズムとかそういうものとはまったく異なるへんてこりんな感動を。最近の『開かせていただき光栄です』がちょっと近いかもしれない。
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それと同時に、薙刀二段といわれるF嬢の「この女性作家がコワイ!〜絶対姑にしたくない5人の女たち〜」という選書もあるのだが、このF嬢のイラストに描かれた薙刀はどう見ても白刃である。おとろちいではないか! おとろちいのうのう……
だが、拙豚の会ったF嬢はこのイラストとは似ても似つかぬ、優しげな楚々とした方で、とても薙刀など振り回しそうな感じではない――おそらく「白の恐怖」とか「死が二人を分かつまで」とか、そういったものに類したトリックが駆使されているのだと思う――なにしろ会社が会社だから……
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