ただいま急落中

今朝見てみると、『怪奇骨董翻訳箱』はもはやhontoのホラー・怪談ランキング中に影も形もありません。ああやはり三日天下ならぬ一週間天下であったか。

でも代わりに『猫の目時計』とか『怪奇文学大山脈』とか『怪奇小説の世紀』とかが浮上してきているのが頼もしい。それにしても『怪奇小説の世紀』って、四半世紀前の発行なのにまだ在庫持ってたんですね。「最後の一冊まで売り切るぞ!」という気概もまた頼もしいではありませんか。

ただいま爆走中

一週間ほど前から書店にも置かれはじめた『怪奇骨董翻訳箱』ですが、hontoのホラー・怪談ランキングでなんと2位に躍り出ています。これは24時間の集計ですが、一週間の集計でもやはり2位。ベストセラー街道爆走中であります。買ってくださった皆さま、どうもありがとうございます。

しかし、高々***部しか刷っていない本が堂々2位に躍り出るとは、いかに本が売れていないかが如実に現れていて、なかなか手放しでは喜べないものもあります。しかし、しかしですよ、全国の書店の皆さん、もし『怪奇骨董翻訳箱』を棚に置けば、きっと誰かが買ってくれることと思います。hontoのランキングがそれを証明しています。なにとぞよろしくお取り計らいください。

豆本プレゼントのお知らせ


『怪奇骨董翻訳箱』刊行記念 豆本プレゼントキャンペーンのお知らせが国書刊行会のサイトにアップされました。皆さまふるってご応募ください。サイトに書いてありますように、写真に添えていただく文章は任意の内容でかまいません。「本が届いた、今日はいい日だ」でも「月がきれいですね」でも「クッキー焼いてフリマで売ってろ」でも全然大丈夫です。

つまり応募前に全部読む必要はないということです。訳者としてはガーッと一気に読まれるよりは、むしろチビチビと少しずつ読まれるほうがうれしいです。あるいは本棚に十年二十年と飾っておかれたのち、ある日ふと思いたってページを開かれたらもっとうれしいかもしれません。

また応募案内には「豆本」と書いてありますが、現在のところ2017年10月16日の日記に記した事情により巨大化は避けられない見通しです。でも努力目標としては、極力文庫本の大きさは越えないようにしようと思っています(この前も同じことを書いた気がしますが)。

ちなみに「ハハア『イヴについて』の〆切を一か月遅らせたのはこの豆本を作る時間を捻出するためだったのか」と勘繰る人がいるかもしれませんが、それはまったくの濡れ衣であります。豆本作りの時間は別腹です。英語でいえばアナザーストマックです。

骨董箱販売開始!

『怪奇骨董翻訳箱』がついにアマゾンで販売を開始しました。

 
ほかより少し早いようです。取次を介していないのかもしれません。それとも蕎麦屋の出前みたいなもので、「今出ました!」と言いながら実はまだ入荷を待っているのでしょうか。

ああしかし、思い起こせば幾星霜、「こんなのやってみませんか」と版元からお話をいただいたのが2017年の春ころ、初稿を提出したのが2018年8月末、それがようやく形になりました。何というか、「は~るばる出たぜ箱入り~ さ~かまくうみをの~りこえて~」という感じです。気分はサブ北島です。

どうぞなにとぞよろしく。

キャラが濃い

京都大学生協発行の書評誌『綴葉(ていよう)』で『どこに転がっていくの、林檎ちゃん』をとりあげていただきました。評者はねこさん。ありがとうございます。PDF版はここから読めます。

書評にいわく「脇を固める人々も中々キャラが濃い」。実にそのとおりです。この小説が今も古びない理由はそんなところにもあるのでしょう。

骨董箱見本出来

さるやんごとない方の一言がきっかけで飛ぶように本が売れ、たちまち転がり込む恐ろしいくらいの大金。しかし「宵越しの銭は持たねえ」とばかりに、儲けはすべて採算ウルトラ度外視の箱入り美装本につぎこむ、そんな特殊版元がどこかにあるという話を聞きました。昨今では出版関係者が二人顔をあわせたら、まるでお天気のあいさつでもするように、「あの版元が羨ましい」とささやき交わすそうです。

その真偽はともかく(まあ面白すぎるのでデマにきまってますが)、とうとう『怪奇骨董翻訳箱』の見本ができてまいりました。

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(画像は国書刊行会のツイッターよりお借りしました)

どうですこのアラベスクな壮麗さ。内容の千夜一夜ぶりを予感させる卓抜な意匠です。神保町でいえば、玉英堂あたりのガラスケースに5ケタの値をつけて展示されていてもおかしくない造本ではありませんか。この大盤振舞でこの価格だと、おそらく刷れば刷るほど赤字になるでしょうから、再版はまずないと思います。初版にしても微々たる部数ですから、なるべくお早めにお求めくださいますよう。来週後半あたりから書店に出回るはずです。いずれ告知があると思いますが、例によってツイッターで応募する特典もついています。


ところで骨董箱見本といっしょに聖杯第二弾も受け取ってきました。さっそく湯舟代わりにくらりが入っています。

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中野さんありがとうございます。ああしかし、中野さんの麗訳に対抗せねばならないとは、自ら撒いた種とはいえ、何と因果なことでしょう。あまりのプレッシャーに耐えきれず、とうとう〆切を一か月延ばしてもらいました。

JS・JC・JK・JD

"KY"がすでに死語になりかけている気がするのにひきかえ、"JK"はすっかり日本語に定着した感があります。おそらく三省堂の『新明解国語辞典』に記載される日も遠くないと思います(あるいはすでに載っているかもしれません)


さて、創元推理文庫でJKといえばユイスマンスです。

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JCもあります。ポーイスです。

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JSもあります。レ・ファニュです。

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JDもあります。ご存知カーです。

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拙宅の本棚を見るかぎり、JS・JC・JK・JDがフルセットで揃っている文庫は創元推理文庫以外にありません。さすがです。

イボイボ

YBO2の超貴重音源がリリースされるようです。実に楽しみです。前回の復刻CDは店頭でも余裕で買えましたが今度はどうでしょう。限定500部となると予約しておいたほうが無難かもしれません。

しかしこのディスクユニオンのサイトではYBO2を「ワイビーオーツー」と表記しています。しかしこれはぜひ「イボイボ」であってほしいものです。今の若い人はしばしば音楽ジャンルの「トランス」とインディーズレーベルの「トランスレコーズ」を混同しますが(たとえばトランスギャルというのは前者でなく後者のファンのこと。ナゴムギャルと対をなす概念)、それと似たすわりの悪さを感じます。今の若い人はもしかしたらKYON2も「ケーワイオーエヌツー」と読むのでしょうか。

下の画像は今はなき明大前のモダーンミュージックで買ったカセット「YBO2 / LIVE3」です。持っているのをちょっと自慢したいので貼りました。トランスレコードの後身SSEコミュニケーションズからSSE01としてリリースされたものです。

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ついにくらりが

ついに拙宅にも念願のくらりがやってきました。この前の木曜と金曜に開かれた創元 初夏のホンまつり2019@東神楽坂に行ってきたのです。

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ホームズ風の衣装も売ってましたが、こちらは6000円ということなのでちょっと手が出ません。ちなみにわたしがそのとき着ていたシャツは580円、ズボンは2980円。ぬいぐるみの分際で人間様の倍近く高価な服を着るとはこれいかに。

噂のホームベーカリーも展示されていました。しかしなぜここに…… 小さなお子さんのいる家にお邪魔すると、そこの子が「おじさん、ほら見て見て」とかいう感じで自分の宝物を自慢そうに見せてくれることがあるじゃないですか。ちょうどそんな感じで鎮座しましているのです。購入したのはつい最近と聞いたのですがもうすっかり使い込まれたようなたたずまいを見せておりました。

こちらは解説目録に押したスタンプラリーのスタンプです。

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米澤さんに感謝

 米澤穂信さんにツイッターで『両シチリア連隊』をご紹介いただきました。ありがとうございます。


 東京創元社さん、『赤い夢』の企画を通すのは今をおいてありませんよ。殿、なにとぞご決断を!