一億円の夢


 

先日コロナワクチンの四回目を打った。この前モデルナを打ったときは副反応が少し重かったので、今度はファイザー(オミクロン株対応)にした。

だが副反応は来た。当日は腕が痛いくらいで他は大丈夫だったが、夜中にガタガタと震えが来て、朝目が覚めても床から起き上がれない。熱もある。昼にようやく起きられるようになってフラフラとよろめきながら食事に出かけた。もっとも症状は風邪にそっくりだったので、実は副反応ではなく、ただ風邪を引いただけなのかもしれない。

寝たままで何もできないと下らないことを考える。年末宝くじで一億当たったらどうしよう。うん。そうそう。T京S元社の大株主になってやろう。そしてハテナおじさんとか猫とかの、文庫の背表紙マークを復活してもらうのだ。

もちろん昔のマークにこだわる必要はない。クラシックは古い分類を踏襲するとしても、新作は今の実情にあわせるほうがいい。コージーならティーカップとか、サイコサスペンスなら左に巻いた渦巻きとか、奇書ならウロボロスとか。

そんな色々なマークが書店にズラリと並んだらさぞ壮観だろう。「どうです。わが社(すでに大株主のつもり)は、ミステリのあらゆる分野をひととおり揃えているんですよ」と、そういうことが棚を見たら一目でわかるようにしたい。

読者の立場からしても「この本は面白かったけど他に似た本はないか」と思ったとき便利だし、「これでS元S理文庫の左渦巻は全冊読破!」というような達成感も得られる。いいことばかりではないか。