アトム式

むかしむかし、今は亡き安原顕氏が仕切っていたころのメタローグから『私の外国語上達法』という本が出ていた。その中でちょっと名を思い出せない英文学者の方が「アトム式」という方法を紹介していた。

このアトムというのは例の鉄腕のではなくて学生社から出ていた英文双書のことだ。左に英文、右にその翻訳があって対照比較できるようになっている。くだんの英文学者の方はこの双書を大量に読んで英文を読む力を身につけたという。

対訳式の双書は他にもいろいろあるけれど、このアトム双書の面白いところはミステリー英文双書という双書内双書があって、セレクションがなかなか凝っていることだ。下 ↓ にあげたのはそのうちの二冊。杉浦康平の装丁もオシャレである。この他にもフィルポッツの『孔雀屋敷』も持っていたはずだが、今は出てこない。ただし持っているだけで中身は一ページも読んでいない。


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……あっくだんの英文学者の人がどなたかだったか思い出した! アトム式で読解力を養ったという話はにわかにマユツバっぽくなったが、かまわず続けると、このミステリー双書は下 ↓ に見るようになかなかのラインナップだ。

シャーロック・ホームズ譚からも多数選ばれているが、選者の方の人柄がしのばれるような渋いセレクションである。「ボール箱」とか「瀕死のホームズ」など普通の人はまず選ばないのではなかろうか。


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しかし英和対訳というとシンタックスが違い過ぎるので、両者を見比べることがどれだけ勉強になるかは個人的には疑問である。しかし仏英などは別だ。しかもグーグル翻訳を使えば自ら教材が作れる。前にも書いたと思うが、グーグル翻訳は外国語→日本語だとまだまだ実用的とはいえない。しかし少なくとも仏→英は割といいレベルまでいっているのではないか。ときどきおっと驚くほどのうまい訳を返してくる。大蛸、じゃなくて負うた子に教わるということわざがあるが、最近はAIに教わっている。

DeepL翻訳というディープな(?)翻訳サイトも近ごろできたらしい。まだあまり見ていないがこちらはどうなのだろう。