学魔本放出を巡る誤解を正す

 駒場のとある古書店主が今回の学魔本放出について、日記で触れている。「懇意でもないのにかっさらいやがって」という嫉妬と羨望が見え隠れする嫌らしい文だけれど、そのせいかどうか、どうも認知に歪みが生じているようだ。同業者なんだから、ちゃんと裏を取ってから書けばいいのにね。そんなこともする気にならないほど憤懣が大きかったのかしらん。

 ともあれネット情報というのは誤報であればあるほど、アッという間に燎原の火のごとく広まってしまうものだから、まことに僭越ながら拙豚が今のうちに誤解を解いておく必要があるような気がしてきた。

 ということで、以下が古書ほうろうの方から直接うかがった正確なところです。

  1. 学魔蔵書三万冊がそっくりそのまま古書ほうろうに行くわけではない。古書ほうろうに放出されるのはおそらく蔵書のごく一部。
  2. 洋書は前にも書いたとおり、放出本の大半は大妻女子大に行く予定。
  3. 今回の蔵書処分はお宅の引越しによるもので、必要な本はまだ手元に置いておかれるはず。
  4. 学魔はボルヘスみたいに失明したわけではない。日によってはよく見えない日もあるという程度。今後も執筆活動はバリバリお続けになるそうです。


 学魔レトリック、あるいは学魔叙述トリックを正しく読み解くにはそれなりの年季を要する。はなはだ失礼な言になるけれど、上にリンクした古書店主などは、まだまだ修行が足りないと言わざるをえない。