イザベラ色

いま翻訳しているのはプラハを舞台とした変人小説。主要登場人物の過半が爺婆という後期高齢者小説でもある。これを訳しているとisabellfarbigという形容詞が出てきた。これは色の名で、直訳すれば「イザベラ色」。淡黄色あるいは灰黄色のことで、馬の色の形容としてはわりとポピュラーなものらしくて、以前にも『両シチリア連隊』か『ダゴベルト』かにも出てきた記憶がある。

さるにてもなぜ淡黄色を「イザベラ色」というのか。そこには思わず肌が粟立つような恐ろしいイワレインネンがあるのだ。すなわち辞書にはこうある。

まあすごいですねえ。なるほどそれで淡黄色なのか〜。眼前にその色が浮かんできそうな、よく言えばイメージ喚起力に富んだ表現ではある。でも当の馬が、もし自分がそう呼ばれていることを知ったらカンカンになって(ヒンヒンになって?)怒りそうな気がしないでもない。