今日読んだいい言葉:
@onozukariki
とあるかたに、なんとなく富ノ沢「あめんちあ」を勧めた。大苦戦の末読み終わったようだが、しばらく富ノ沢は読みたくないと感想がきた。まあ、普通はそうだ。私もそう思うが被害者をふやせそうなときはついね。
「まあ、普通はそうだ」って……。こんなフレーズはふつうの人からはなかなか出てきません。法王の面目が躍如としています。
こんな文章を読むとなんだか人に本を薦めてみたくなる。ということで、この本はいいですよ。
作者は床屋さんだそうだ。そのせいかどうか、文体の切れ味がはんぱではない。怪談が好きな人も読んで損はないはず。
あとこれもいいですよ。
石井恭二という人の凄さが、これを読んではじめてわかりました。
おうそうそう、法王といえば、「サブ・ローザ」のなかにはこんなフレーズが出てくる。
フーコーは「ブルトンはフランスのゲーテである」と言ったが、当時の私にはまだその真意はわかるはずもなかったし、わかろうとも思わなかった。
ブルトンには親しんでいないのでフーコーの真意はわからない。だが、この言葉をひっくりかえした「ゲーテはドイツのブルトンである」は、実に正しい! 200%正しいフレーズである。21世紀のいま、ゲーテを読もうとするならば、その「色彩論」「新メルジーヌ」「ファウスト」「イタリア紀行」「西東詩集」などを読もうとするならば、すべからく「ドイツのブルトン、ドイツのブルトン、……」と何度かくりかえしてから読むべし。かならずやめくるめく読書体験が得られるであろう。