恐喝者もへまをする


まだダゴベルトを読んでいる。青年男爵フリーゼは、妻が避暑に出かけてしまい、夏のウィーンでひとり退屈をもてあましていた。
ある夜彼は悪友に誘われて芝居小屋に行き、勢いで踊り子の一人でロシアの女侯爵と称するフェオドロヴナと夜明けまで酒盛りをしてしまった。宴会のあとフリーゼは礼儀上、女侯爵を家まで送っていった。女侯爵は母親と召使とともに住んでいた。

 数日後、フリーゼは女侯爵の母子に晩餐に招待された。その翌朝、フリーゼがまだ寝ているときに、女侯爵の召使が、女侯爵の手紙を持ってやってきた。手紙には「昨夜、わたしのルビーの指輪をお持ちになりましたね。もちろん冗談でなさったことでしょうが、あれは貴重なものなのですぐお返しください」と書いてある。覚えのないフリーゼは否定するが、念のために上着のポケットを探ると、なんと本当にルビーがあった! 狐につままれたように思いながらもフリーゼは召使にルビーを返した。いったん帰った召使は、しかし再び引き返してきて、このルビーは偽物だという。そして事を荒立てたくなければ金を払えと迫った……

ここまで読んで、「ん?」と違和感を感じられた方もおられると思います。その通り、この恐喝者はとんでもないヘマをしていたのでした。女侯爵はそこをダゴベルトに突かれ、墓穴を掘ってしまいます。
「どんなヘマをしたのだろう?」と疑問に思われる方は次号のROMを買ってくださいね! 答えが載っているはずです(ただし拙豚が原稿を落としさえしなければ……)。