最も勇敢な魂だけは冒険する勇気があります

Man the lifeboats! Here comes the second wave of this deliciously deep, powerfully peaty and wonderfully wild whisky. Corryvreckan takes its name from the famous whirlpool that lies to the north of Islay, where only the bravest souls dare to venture. Swirling aromas and torrents of deep, peaty, peppery taste lurk beneath the surface of this beautifully balanced dram. Its briny character of crisp seaweed, sweet vanilla and rich, dark melted fruits draws you into a long deep finish. Like the whirlpool itself, Corryvreckan is not for the faint-hearted!
 
救命艇に人を乗り込ませてください!ここに、このおいしく深くて、強力に泥炭質で、素晴らしく野生のウィスキーの第2の波は、来ます。Corryvreckanはアイラの北方にある有名な渦からその名前をとります、そこで、最も勇敢な魂だけは冒険する勇気があります。渦巻いている香りと深い、ピートの、ピリッとする味覚の連続は、この美しくバランスのよい一杯の表面の下に潜みます。パリッとした海草、甘いバニラと栄養に富む、暗い溶かされた果物のその海特徴は、あなたを長い深い終わりに引き入れます。渦そのものの様に、Corryvreckanは気の弱いものに賛成でありません!

 
「あなたを長い深い終わりに引き入れます」とか、「気の弱いものに賛成でありません」とかの、生身の人間に書けるとも思えないフレーズの連発から察するに、これは機械翻訳そのままの文章に違いない。テクニカル・ライティング関係の翻訳だと極端な直訳をクライアントが要請してくることもあるそうだから。

しかし、「泥炭質(=peaty)」、「長い深い終わり(=long, deep finish)」、「栄養に富む(=rich)」などは機械に任せたおかげでかえって含蓄深い表現になっている。海藻とヴァニラと果物がグチャグチャに渦を巻いていて、ドロドロの泥炭状で、ピリピリした味がして、うかつに飲んだら救命艇(救急車?)の中で「長い深い終わり」を迎えてしまう危険な飲み物がありありと眼前に浮かんでくるではないか。

もちろん細部には文意不明瞭なところもあるけれど、「悪いことは言わないから引き返せ」という、『マルドロールの歌』を思わせる必死の警告が痛いほどに伝わってくるのは誰にも感ぜられよう。よくこんな飲み物の輸入を厚生労働省が認可したものだ。

上記のコピーを読んでコリーヴレッカンを飲みたくなる人がいたとすればお目に掛かりたい」との意見に一理はあるものの、「最も勇敢な魂だけは冒険する勇気があります」と手袋を投げつけられたにもかかわらず尻込みするのはあまりに情けない。一本しか仕入れないそうだから、なくならないうちに早めに味わいにいこう。