実は怖いのは苦手

すきま (角川ホラー文庫)

すきま (角川ホラー文庫)

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『地獄』『ざくろの実』『ポドロ島』『デ・ラ・メア幻想短篇集』と最近あいついで出た英米古典怪奇小説を読んだあとでクラニ先生の新刊を読む――とあたかも舞台がつながっているかのように違和感なく入っていけるのがうれしい。その理由は分かりそうで分からない。現実との距離感が似ているのだろうか。

しかしそう喜んでいられるのも最初の数十ページのうちだけだ。気がつけば禍々しさがモウモウとたちこめ、古典怪奇小説の靉靆 たるアトモスフィアはどこかに飛んでしまう。今回はあまりに怖くて途中から読めなくなったよ。三文字シリーズの前作「うしろ」みたいな爆発展開にはなりそうにもないし、四歳の女の子がむごい目にあう(のかどうか先を読んでないから知らないけれど)のはいやだ〜。

ちなみにクラニ作品のうち怖くて最後まで読めなかったものは過去に三作ありました。(実は怖いのは苦手)
・BAD
・首のない鳥
・泉