『ナツメグの味』が課題図書に。無理やり読まされてる(かもしれない)人の困惑が見え隠れして面白いやら気の毒やら。まあ「課題」として読む本じゃないよね。
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水曜はですぺら主人とりきさんと三人で、阪神大震災の災厄について談論風発。Cさんが怒った。
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- 作者: Geza Csath,Peter Reich
- 出版社/メーカー: Angelusz & Gold Pub
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: ペーパーバック
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いまはなき「小説幻妖」に南條訳で短篇が載ったこともあるハンガリーの夭折作家ゲーザ・チャート(1887-1919)の日記。ハンガリーの小さな出版社から英訳で出た。
日記だけれども小説以上に面白い。
著者はハンガリー郊外の湯治場(スパ)に、医師として勤務している。そして婚約者がいるにもかかわらず、片っ端から女に手を出している。患者だろうが女中だろうがおかまいなし。ヴィクトリア調ポルノも顔負けの描写が100ページ近く続く。
しかし途中から雰囲気が一変し、芥川の「歯車」みたいになる。それもそのはず、著者は重度のモルヒネ中毒なのだった。すると今までの記述も「信頼できない語り手」による妄想だったのだろうか? 描写はあくまで明晰なのだけれど……。