人魚姫からの贈り物

拙豚宅にいきなり小説をFAXで送ってくれた人がいる。発信人は記されておらず、どこのどなたなのかは不明。ともあれありがとうございます。

……修道院めいて厳格な、全寮制のこの学校にひそかな黒い噂が立ちはじめ、稚ない小鳥たちのような生徒にも、少なからぬショックを与えている。それが事実だとすれば、いや、生徒の中でも別格のプリンセス扱いをされている太刀川杏子が、こともあろうに忌まわしいレスビアンの快楽にふけり、相手には近くの農家の娘けいを選んで、夜ごとに自室に呼び込んでいるという噂の確かな証拠を掴みさえすれば、美しい魔女は、当然この学園から追放されるだろう。それを果たすのが私の努めだと、和枝は固く誓っていた。
 その現場を取り押さえる用意が、今夜ついに出来あがったのだ。

しかし作者の方には失礼ながら、この文章は一体うまいのか下手なのか、いつものように○す○ら帰りの濁った頭ではにわかに判別がつけがたい。主文と従属文の係り受けが途中で捩れているような気もするが気のせいだろうか。
しかしかって読んだ『地底から』という掌編と一対になって、始めと終わりを飾っているように思われて、しばし感慨にふけったことであった。もし前後に頭のついたチョウチンアンコウというものがいるのならば、その頭と尾にゆらめく仄かな明かりだろうか。