七竈なかったあった

うつし世の乱歩 父・江戸川乱歩の憶い出

うつし世の乱歩 父・江戸川乱歩の憶い出


今日は七竈の発売日のはずだがどこの書店にもない。おかしい、もうエイプリルフールから何か月もたっているのに。三省堂本店の検索機械で調べてみようとしたら、前の人が検索した跡がそのまま残っていて、それがちょうど今まさに探さんとする本なのであった。おお同志よ。しかし検索結果は非情にも在庫0。
(後記:その後紀伊国屋本店で無事購入できました。サイン入り。)
 
マリオ・プラーツの「バロックのイメージ世界―綺想主義研究」(みすず書房)も出ていた。中身は先にありな書房から出た「綺想主義研究」*1と基本的に同じ。ただ、ありな版がイタリア語版(1942)を底本としているのに対してみすず版は英語版から訳している。しかしありな版も後に出た英語版(1975)の付加と訂正を参照しているので、みすず版を改めて出す意味はほとんど無いように思う。ありな版はみすず版の倍近い図版を収録してるし。既訳のあるものをわざわざ出さずともプラーツには「生の家」とか「家庭絵画(カンバセーション・ピーシーズ)」とか、まだまだ未訳の名著は目白押しであろうのに。この二冊みたいな、プラーツの悪趣味というかゲテモノ好きがマザマザと分かる本を翻訳紹介しないと、変な風に過大評価されてしまうんじゃないでせうか。
 
しかたないので「うつし世の乱歩」だけ買った。乱歩夫人が夫の「魔性」を語る最後のエッセイが抱腹絶倒。部屋を閉め切って蝋燭の炎で書いたというエピソードは、乱歩本人は否定してるが夫人によるとどうやら実話だったらしい。