モーリス・ルヴェル重版を寿ぐ

…創元推理文庫が重版したのが目出たいというのは、世も末という感じもするが、そこはそれ。重版を記念して拙豚日記も、ペルッツが一段落したら、『モールス・ルヴェル未訳作品を読む』シリーズをやる予定。乞御期待。

ところで、これを読んでいる読者諸賢は「モーリス・ルヴェルは実は女だった」という説がアメリカで、まことしやかに囁かれているのをご存知であろうか。このサイトとかこのサイトには、モーリス・ルヴェルの本名はJeanne Mareteux-Levelと書いてあるが、知る限りでは、これはまったくのデマである。

この説を誰が言い出したのかは今とっさには分からないが、この説を広めたのは、おそらくマーヴィン・ケイという有名なアンソロジスト(兼作家)である。黄色いカヴァーのかかったケイのアンソロジーの一冊に事の経緯が詳しく書いてあったような記憶があるが、例によって本が山の中に埋もれてどこに逝ったか分からない。本が見つかったらまたここに書くつもり。興味のある人(そんな奇特な人がいるとしての話だが)は楽しみに待っててください。