騎士団長



慎重を期してとりあえず第一部だけ購入。

『1Q84』は「あなたのおちんちんは大きいの」のところで辟易して投げた。『色彩を持たない……』はなかなか面白くて最後まで読めた。今度はどうなんだろう。「騎士団長」というくらいだからテンプラー騎士団とか出てくるのだろうか。ともあれ、また大きなおちんちんが出てきたら即座に投げだす用意はできている。

ちなみにいままで読んだ村上作品のなかのベストを長篇・短篇集・その他から一作ずつ選ぶと:

1.『アフターダーク』
2.『女のいない男たち』
3.『アンダーグラウンド』
(番外)『うさぎおいしーフランス人』

1は現実のザラザラした手触りが感じられるのがよい。言葉が上滑りしてないのもよい。長すぎないのもよい。

村上春樹の短篇集は新しいのが出るたびにどんどんうまくなる。したがって現時点の最新作である2は同時に最良作でもある。エリアーデや神西清にも通じる〈神秘〉の感覚が巧みに表現されているのがいい。

3は地下鉄サリン事件に被害者としてかかわった多くの人へのインタビューをまとめた労作。市井の名もない人々の無償の善意が、破局があれ以上に広がるのをいかに防いだか、ということが微細に浮き彫りにされていて胸をうつ。もしかすると村上春樹最良の仕事かもしれない。

(番外)は村上春樹も関西文化圏出身なんだなーとしみじみ感じさせるコテコテのギャグの連打に抱腹絶倒。はたして東京の人にこの素晴らしさはわっかるっかなー*1

*1:古くてすみません。でもこのフレーズは澁澤龍彦も引用してるんですよ