平井蔵書の午後

昨日は東雅夫・下楠昌哉両氏のトークイベント「幻想と怪奇の匠・平井呈一――その足跡と旧蔵書をめぐって」に行ってきました。

平井翁の蔵書を追って中越地方のある市を訪れた下楠氏。そこで氏が見たものは、いたるところに屹立する佶屈とした石碑や石像、そしてある神格化された存在を全市をあげて讃迎する住民たちの姿であった。おお、ここは日本のインスマスであったか。はたして下楠氏の運命は?――というような話ではもちろん全然なく、トークの内容は近く出る両氏共編の『幻想と怪奇の英文学II』(春風社)に収録されるということです。乞うご期待。この論集にはアイルランド系比較文学の才媛S木A世さんも下楠氏にナンパ(下楠氏自身の表現)されて参加される予定らしいです。トークではあとジョイス「室内楽」を訳した左川ちかの名が意外なところで出て驚きました。

席上で東さんがご所蔵の平井蔵書印のある本をいろいろ見せてくださり眼福眼福。むらむらと自分も蔵書を見せびらかしたくなり、久しぶりに日記を書いた次第。お目汚し御免。
 


ウィリアム・サンソム『潰瘍持ちの牛乳屋』。怪奇短篇も書く作家の短編集。
 

W.H.ホルコム『両世界にて』。謎の本。心霊小説? あんまり読む気はしない。
 

ポルトック『ピーター・ウィルキンスの生涯と冒険』。現在は岩波のユートピア叢書で読めます(高橋和久訳)
 

ご存じM.G.ルイス『マンク』。