新年のリセット

神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)

神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)


明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

昼間布団を干し洗濯をしながらおもいきり日光を浴びたあと、夜は2014年年初の読書として西澤保彦『神のロジック、人間のマジック』を通読。
これはもう何度読んだかわからない――いわゆる新本格系では乾くるみの『リピート』と共にもっとも多く読み返している本ですが、それでも汲み尽しきれぬ不思議な魅力を秘めています。
それがどんなものか、ネタを割らずに説明するのは難しいというより不可能ですが、要するに物語のラストで、ある登場人物が年老いていきなり見知らぬ環境に放り出されるのです。なにもない荒野のなかにただ一本まっすぐ走る道路という舞台がよく象徴が効いています。髪が白くなりかかった拙豚が新年というリセットの時に越し方行く末に思いをいたすにはまことにふさわしい本といえましょう。