家捜しその1

Herr von Syllabus: Criminalnovelle 1873 / Criminalbibliothek 1850-1933 - Band II

Herr von Syllabus: Criminalnovelle 1873 / Criminalbibliothek 1850-1933 - Band II

In einer Brautnacht: Criminalerzaehlungen 1860ff / Criminalbibliothek 1850-1933 - Band III

In einer Brautnacht: Criminalerzaehlungen 1860ff / Criminalbibliothek 1850-1933 - Band III


ROMのレビュー用の本をごそごそと探す。

こういうときには何か特定の本を探そうとしてはいけない、と長年の経験から学習した。
そんなことをしても、けして目的の本は出てこないだろう。それどころか、ただでさえ散らかった部屋がますます散らかり、収拾がつかなくなるだけだ。

むしろこの機会に本の整理をするつもりになって、ひときわ乱雑な場所にあるものを一冊一冊丁寧に整頓していったほうがいい。そうすればたとえ本は見つからなくても部屋は片付く。

すると案の定、「クリミナルビブリオテーク 1850-1933」の2巻と3巻が出てきた。ドイツのエディツィオーン・ケルンという版元が出したこの叢書は、その名のとおり、19世紀半ばからナチスが政権をとるまでのあいだに出た犯罪小説の秀作を精選しようとしたシリーズだ。

数年前に買ったけれど、上の画像で分かるとおりの、実に垢抜けない装訂に辟易してそのまましまいこんでいたもの。今回のROMの特集がなければ、たぶん一生読まなかったと思う。

上の方の"Herr von Syllabus"は、巻末の解説によれば、とある聖職者が1873年に変名で書いた犯罪小説のパロディだそうだ。
Syllabusは大学で配布される「シラバス」と同じ語だが、ここでの意味は「誤謬表」。教皇ピウス九世により誤謬と宣告された異端邪説の一覧表とのこと。だからタイトルを直訳すると『ミスター誤謬表』になる。
う〜んう〜ん……。探偵が神様とか麻耶雄嵩みたいな話だったらどうしよう……。まあ、案じるより読むが易しということわざもあるから、読んでみることにします。