タルホ前夜祭への誘い

ダンセイニとくれば当然(?)つぎはタルホですが、2008年1月20日(日)西荻にて怪しげな祭があるようです。

詳細はここここで告知されています。「タルホ祭り」と聞いたときには、みんなフンドシ一丁になってひたすらビールを呑む催しかな? とも思いましたが、どうやらそうでもないらしい。

新発見101篇+オマケ2篇+解題・校異600枚 AND MORE! 究極の「タルホ本」はいかに作られたか?
稲垣足穂研究ニューウェイヴの総力を結集した『足穂拾遺物語 The Uncollected Writings of Inaguaqui Taroupho』(2月7日、青土社刊)のワールド・プレミア。本書の編者・校訂者・デザイナー・編集者・校正者が、鬼気迫る蒐集の苦心談から『スマイル』もしくは『ポンヌフの恋人』的制作過程まで、「タルホを本にすること」をめぐって徹底討議します。
見本を世界初公開&貴重資料の配布あり。お申し込みはお早めに!(上のリンク先より引用)

 
この『足穂拾遺物語』は、わたしもちらりと校正刷を覗かせてもらいましたが、まさにまさに恐るべき『究極の「タルホ本」』でありました。「生成するタルホ」をライブに体感できる、古今東西おそらく類を見ない、まあ一種の奇書というしかない大変な本です。少なくとも「単行本未収録作品集成」とかそういったレベルで語れるシロモノではありません。その解題の偏執性と世界構築への意志によって、『黒死館』『ドグラ・マグラ』と並べて三大奇書のひとつとしたい誘惑にもかられますし、それは大げさとしてもかの鷲巣繁男『戯論』の隣に置くべき本ではありましょう。

それでいて外観はかつての潮出版社版「多留保集」を思わせる小ぶりでキュートな角背。あっと驚く小部数の割には価格もきわめて良心的になる模様です。

「白昼見」あたりで本人も言ってましたが、たくさんの人の心を惑わせ、死してなお、こんな常軌を逸した本を作らさしめる足穂は、やはりセイントというよりは悪魔の眷属としか思えませんな!