浜辺のポウイス


 

うみの図書館近くで開かれた海辺ブックフェスをのぞいてきました。絶好の連休日和に恵まれてものすごい盛況でした。

浜辺沿いにずらりと並ぶ古本出店。振り返って海に目を向けると子供たちが波と戯れています。裸足で浅瀬にジャブジャブと入って砂浜近くに流れてきた海藻を棒の先で拾ってはしゃいでいます。心が和む光景です。来てよかったと思いました。

そしてそこでとんでもないものと遭遇してしまったのですよ。上の画像にある瀧口直太郎訳『ポイス短篇選集』です。砂浜で子供たちが遊ぶなかで T. F. ポウイス。実にポウイス的かつ運命的な出会いでした。ちなみに出品者は高松の名物古書店なタ書さんです。

このポウイスは晩年の平井呈一翁のお気に入りで、今はなき早稲田進省堂の主人から大昔に伺った話によると、何回忌かの折に未定稿のポウイス短篇の訳稿複写が配られたそうです。そういえばナイトランド・クオータリーの最近の号にもポウイスの短篇が載っていましたね。

中野善夫さん(と失礼千万ながら唐突な呼びかけ)、ウォートンの次はポウイスはいかがでしょう。ジョーキンズ的な味もありますよ。