『腿太郎伝説』を読んでしまった


 
サイン本が乱れ飛んでいるとかいう世紀のウルトラ大怪作『腿太郎伝説』。ついに読んでしまいましたよ。今の気分は「どうだ……読んでしまったか」と正木博士に話しかけられた呉一郎です。

キャラがメインか? 漫才がメインか? ストーリーがメインか? というくらいに登場人物の掛け合いがすさまじい。マンガでいえば『マカロニほうれん荘』みたいな感じでしょうか (古くてすみません) 。長篇一冊分の分量でひたすら続く『マカロニほうれん荘』……こいつは恐ろしい。恐ろしすぎる……ナント恐ろし、〇〇〇〇地獄じゃ、数をつくした八万地獄じゃ……

小説でいえば、まあそうですね、石川淳の後期作品を思わせるところがあります。マレビトが爆誕して、周囲の奇人変人を巻き込んで、奇想天外なことが起こって、行き当たりばったりみたいなストーリーがあれやこれやすったもんだしたあげくにけだるく終わる……と書くと褒めてないであきれてるみたいですが褒めてるんですよ! 少なくともこの小説に乗れない人は『狂風記』や『六道遊行』を読んでもおそらく乗れないでしょう。