日夏といえば

 日夏といえば『游牧記』四冊揃いが今は三割引きで売っている。神保町の田村書店が「ほとんど全品三割引きあるいは五割引きセール」を開催中のためだ。このセールは今月十一日からやっているのだが、おととい行ってみたら、『游牧記』はまだ売れていなかった。まあそんなに珍しい本ではないからかもしれないが……。それとも田村のことだから、複数セット所蔵しているのだろうか……。ありえないことではない。

 それにしても、いくら爆弾的バーゲンセールといっても、このコロナ禍ではそれほど人も来るまいと思っていたら甘かった。週末の古書会館みたいに入口に行列ができている。店内で人数制限がされていて、一人出たら一人入るというシステムになっているためだ。もちろん一度入った人がすぐ出るはずもなく、中には何時間も籠っている人もいるので、行列はなかなか進まない。

 もちろん人のことは言えない。文学フリマ京都には怖くて行けなかったわたくしも、この誘惑には勝てず、出かけていって寒風に吹かれつつ延々と待ち、店内では二時間くらい粘った。あの『游牧記』は買うつもりはないけれど気になる。売れたかどうか確かめるために、月末の最終日に行ってみようかとも思っている。