上げ底のヨナス・リー

 ヤフオクに出品されているディスプレイ用洋書を見るのが楽しい。もともと本の背表紙を読んでるだけでハッピーになる性格ではあるのだが、ニ十冊千円程度の束の中に貴重な本が混じっているとますます嬉しくなる。

 もっとも同好の士は多いとみえて、そんな束は終了直前にどんどん値上がりする。だからとても落札はできないのだけれど、値段が上がっていくのを見るだけで楽しい。もはや病膏肓の域に入ったのだろうか。

 そんなオークションの一つに「ヨナス・リー全集7冊」というのがあった。オークションは昨日終了したが、今も画面自体は残っている。10,640円で落札されたようだ。

 しかし! 画像をよく見ると、この7冊のうち4冊はヨナス・リーではなくビョルンスティエルネ・ビョルンソン全集の端本ではないか。ヨナス・リー全集と名うちながら、全体の半分以上は違う作家の本なのである。

 これを一万円ちょっとで落札した人は今ごろ爆裂しているかもしれない。だが、わたしに言わせると、これは怒るほうが間違っているのである。こういうこともあるのがヤフオクの楽しさだと思う。