謎のDeepL:和文英訳篇

前回に引き続き今度は和文英訳篇。適当に例文を作ってどのくらい正確に訳されるか試してみた。DeepLでまず和文を英文に訳し、それをまたDeepLで和文に直してチェックしてみた(今思い出したけどたしかディックの『銀河の壺直し』にそんな場面がありましたね)。


例文1 全集が出ないうちに訳者の一人が亡くなってしまった。これでは『最後の危険なヴィジョン』になりかねない。
 
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One of the translators died before the entire collection was published. This could be the 'Last Dangerous Vision'.
 
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全集が出版される前に翻訳者の一人が亡くなった。これが『最後の危険な幻影』かもしれない。

[講評] 構文は正しく把握されている。「出る」にちゃんと "publish" をあてているのが偉い。だが第二文はニュアンスを捉え損なっているようだ。英作文は苦手だが、もしニュアンスを強調して訳すなら、"I'm afraid this would turn out to be another 'Last Dangerous Visions'"とでもなるのではないか。ところで某全集はともかく『土の人形』はいつ出るのだろうか。夏中に出るだろうか。



例文2 散歩してたら偶然澁澤邸を見つけたので用もないのにチャイムを押したら本人が出てきた。
 
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I happened to find Shibusawa's house when I was taking a walk and I pushed the doorbell, but he came out.
 
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散歩中にたまたま渋沢の家を見つけたので呼び鈴を押したら出てきた。

[講評]これも 構文は正しく把握されている。原文で省略された主語を正しく"I"と判断しているのはお手柄。でも「用もないのに」と「本人」が訳されていない。それにしても澁澤さんはいい人だった。


例文3 いつものように幕が開き恋の歌歌う私に届いた手紙は黒い縁取りがありました。
 
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As usual, the curtain opened and the letter arrived to me singing a love song, with a black border.
 
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いつものようにカーテンが開き、黒い縁取りでラブソングを歌っている私の元に手紙が届いた。

[講評]内心これは無理だろうと思ったがかなり健闘しているので感心した。"singing a love song”という分詞構文にはちょっと違和感があるが文法的に正しいのだろうか。


全体的にはまずまずの出来栄えだと思いました。