文学フリマ東京開催なるか?

ザ・ナイト・ウォッチ

ザ・ナイト・ウォッチ


パンデミック騒動のおかげで、5月6日に予定されている第三十回文学フリマ東京も雲行きが怪しくなってきた。おそらくキーとなるのはこれに先立って5月2~5日に予定されているコミックマーケット98が無事開かれるかどうかだろう。コミケが中止になったのに文フリを敢行するだけの度胸はおそらく主催者側にはあるまい。
 
ところで話はまったく変わるが、英和辞典で「ブートレグ (bootleg) 」を引くと「密造酒、海賊版(盤)」と出ている。密造酒はともかく海賊版(盤)というのは正しくない。海賊版(盤)は "pirated edition" である。

ではブートレグと海賊盤のどこが違うかというと、時間の前後関係が違う。海賊盤の場合、正規盤がまず出て、それからそれをコピーした海賊盤が出る。しかしブートレグは正規盤よりも先に出る。のみならず正規盤はたいていの場合出ない。例をあげるとキングクリムゾンの1973年アムステルダム・コンセルトヘボウ公演は名演として名高いが、この音源の正規盤が『ザ・ナイトウォッチ -夜を支配した人々-』として出たのは1997年のことである。ところがブートレグは拙豚が高校生の頃つまり70年代にすでに出ていた。当時渋谷陽一がディスクジョッキーをやっていたFM番組でもかかったと思う。ただしこのときの音源はBBC放送のもので、渋谷陽一が「ブートレグでもすでに出ていますが音質はこちらのほうが抜群にいい」とかそういうことを言っていたのを覚えている。あと海賊盤は違法だがブートレグは必ずしもそうでない。権利者の了解あるいは黙認を得て出されるものもあるようだ。

そうそうそういえばむかし新宿にブートレグ専門店が軒を連ねる界隈があったが今はどうなっているのだろう。もう何十年も行ってないのでまったくわからない。