やれ嬉しや

高原英理さんが拙訳『怪奇骨董翻訳箱』を第六回日本翻訳大賞に推薦してくださいました。どうもありがとうございます。おかげさまでアマゾンで在庫四冊だった『翻訳箱』が今では二冊になっています。

高原さんが気に入ってくださったツァーンの『ある肖像画の話』は全篇オカルトの論理だけで組み立てられた話で、地上の論理はいったいどこにいったの?という感じなのですが、作中人物は誰もそれを不思議に思っていません。たぶん作者も不思議には思っていないのでしょう。何世紀も前の人物が現代に影響を及ぼすという主題は、やはり『翻訳箱』に入れた「クワエウィース?」と共通していますし、『ワルプルギスの夜』の表題作とも共通しています。あとラストシーンの微かな不気味さが後まで印象に残ります。

おおそれから『本の雑誌』一月号で、紀田順一郎氏がやはり『翻訳箱』を今年のベスト3に入れてくださいました。感謝感激であります。