シブサワ大激怒!

 文学フリマに行ってまいりました。一番のお目当ては高山宏ロングインタビューが掲載されている「機関精神史」。漏れ聞く噂によれば「商業誌ではふつう削除されるような赤裸々なことも平気で載せてある」らしいので、楽しみにしていたのです。
 
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 ページを開いてみると、噂にたがわずのっけから林達夫を罵倒しています。知らない人が読んだら、たちの悪い酔っ払いがクダを巻いていると思うにちがいありません。同じ調子でいろいろな人が槍玉にあがっていますが、なかには澁澤龍彦を怒らせたという逸話も。

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 でもこれはまだ手加減しているのですよ。ブースにいた方にインタビューのゲラを見せてもらったのですが、そこには、最終稿では抹殺されたさらに過激な表現が! 

 しかしマニエリストの辞書に「赤裸々」という文字はありえません。赤裸々さえマニエラと化すのであります。きっと数々の暴言もまた学魔先生一流のマニエリスム、つまり話し相手をもてなすマナーなのでありましょう。

 小林エリコさんの新刊『わたしはなにも悪くない』も早売りしていました。そうだ、あなたは何も悪くない。
 
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 サインももらってしまいました。さささっとものすごい早業でイラストを描いてくださったのでびっくりした。プロの技だ~
 
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 お次は各所で話題沸騰中のRe-ClaM第二号。
 
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 藤元直樹氏が暴いた菊池幽芳『秘中の秘』の原作者には驚きました! 「まさかっ」と思って、思わず本を見直してしまいましたよ。ああこれを乱歩が知っていたらどんな顔をしただろうと考えるとニヤニヤしてしまいます。むかし創元推理文庫で読んだ短篇はつまらなかったけどな、と思って念のために『東京創元社文庫解説総目録』で調べてみたら別の人でした。某所でペアみたいに語られていたので混同したのです。夢野久作のお父さんが〈盲目の翻訳〉したのはどちらの人だったかな。

 あと小林晋さんのところには本になっていない訳稿が何十冊分か溜まっているのだそうです。これにも驚きました。

 その他にもいろいろ買いましたが、まだ読んでいないので次の機会に~