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- 作者: メアリー・キルバーンマトシアン,Mary Kilbourne Matossian,荒木正純,氏家理恵
- 出版社/メーカー: パピルス
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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大橋洋一氏の7月28日付のブログを見てびっくり。このブログによれば、「ウィッチ」という映画が麦角菌による集団幻覚を扱っているそうだ。いやそれよりも驚いたのは、やはりこのブログで教えられた、『食物中毒と集団幻想』という書物の存在である。この本では、中世ヨーロッパの魔女裁判にもフランス革命時の恐慌にもセイラムの魔女裁判にも、麦角中毒症が関係していると論ぜられているらしい。まさしく『聖ペテロの雪』に描かれたマルヒン男爵の説そのものである。
『聖ペテロの雪』の解説を書いたときにこの本の存在を知らなかったことが悔しくてたまらない。2004年に出た本だし、版元はあのパピルスだし、題名がもろに内容を語っているので、ちょっと気をつければ絶対に目にとまったはずだったのに。ラヴクラフトがスターリングと合作した「エリックスの迷路」ではないが、博捜に骨身を惜しんではいけないと痛感した。
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