蜘蛛の糸元ネタ

今度の文学フリマ新刊はコルヴォ男爵(フレデリック・ロルフ)でいこうと思って最近いろいろ読んでいるところです。その途上で「イエロー・ブック」に載った彼の短篇"About Beata Beatrice and the Mamma of Sampietro"が、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」にそっくりなのに気づきました。

蜘蛛の糸の元ネタについてはカラマーゾフ兄弟の「一本の葱」説とかポール・ケーラスの「カルマ」説などがあるようですが、かの世紀末雑誌「イエロー・ブック」こそ芥川が範とするにふさわしいという気がしないでもありません。もっとも私一人だけが知らなかったことで研究者の方々にはすでに周知の事実かもしれませんが。