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- 作者: 河出書房新社編集部
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/02/24
- メディア: ムック
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開巻早々、北村薫氏が法月綸太郎氏に謎をかけている。
北村 泡坂先生が、亜愛一郎は○○○だ、と言っておられるんだけれども、○○○にはカタカナ三文字が入ります。はい、何が入るでしょうか?
法月 なんだろう……?
北村 上の二字は、破裂音。
法月 ぱぴぷぺぽ、ですか。
北村 そう。泡坂先生ご本人がおっしゃててね、これは面白い言葉だなぁと思ってね。正解は[以下略]
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なんだろう??? 「パピィ」*1かな? あんまり亜愛一郎らしくはないけれど、他には思い浮かばない。「ペプシ」なわけはないし……。
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あとこの本には、中井英夫に関する新事実もいろいろ書いてあって、泡坂ファンのみならず中井ファンにとってもマストバイだと思う。中井氏のゴーストライターをした過去を涙ながらに懺悔する本多正一氏とか(だが読みようによっては見事なパスティーシュぶりを自慢しているようにも読める)、アレスター・クロウリー『ムーンチャイルド』の一場面を彷彿とさせる泡坂氏と中井氏の大奇術対決、あるいは中井氏が酔余の勢いで描いた亜愛一郎像などなど。
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かくのごとく中井氏描く亜は狩人のお兄さんではなくどことなく少女漫画風なダンディ。絵に添えられた文面も愚痴に真情が混じり胸を締めつける。「来年と言わず今日から書け!」と言いたくはなるけれど。
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