人は死んでいるけど

昨日届いたSRマンスリーの394号は森英俊氏インタビューと東京創元社特集という豪華二本立てで読み応えたっぷり。

森氏インタビューによれば、なんでも『失われたミステり史』を出した盛林堂書房から、「以前に出た『少年少女昭和ミステリ美術館』で採りあげた作品を全冊レビュー」する本が近く出るという。これはすばらしい好企画! かってあかね書房版少年少女世界推理文学全集を耽読した身としては、血湧き肉踊らざるをえない。
 
いっぽう東京創元社の井垣専務インタビューは会社の内幕を赤裸々に明かして興味しんしん。エントリーシートに叙述トリック(?)を使って入社とか、バークリー短篇集やサラゴサ手稿の現状とか、あるいはこんなくだり。
 

リーディングをお願いして、好感触だったので翻訳をお願いしたら、人は死んでいるけどまったくミステリじゃない小説だったとか、そういうことはありますよ。

 
何の本のことをおっしゃっているのだろう。 『シニョール・ジョバンニ』? 『カルーソーという名の悲劇』? なんにせよ人さえ死んでるなら別にミステリじゃなくてもいいじゃないですか。「これはSFだ」「SFじゃない」みたいな論争ほど不毛なものはありません。つまらないことにはこだわらず、どしどし何でも出していただきたいと思います。