姑とロールキャベツ

 先週の土曜は松山翁の講義の日だった。ねじの回転にも行きたかったが、惑星直列のごとく日が重なっては仕方がない。後髪を引かれる思いで消人栓を通り過ぎた。だがしかしっ、次の怪談会には必ず出席するぞ! そうしてとっておきの怖い話を披露するのぢゃ! 覚悟しておれっ。ふおふおふおふお。

 ……まあそれはともかく、先生が来るのを待っているあいだの雑談で、「ロールキャベツはどこの国の料理なんでしょうね?」という話題が出た。博識をもって鳴るT氏もI氏もY氏も知らないようだ。もちろん拙豚も知らない。なかなかの難問なのかもしれない。

 ところがところが、今週の「走って!帰ってきた!桜庭ほんぽっ!」の課題図書の一冊、『東京の空の下 オムレツのにおいは流れる』を読み始めたら、いきなり同じ話題が出てきたのでびっくりした!

ロールキャベツとはいったいどこの国の料理なのだろうか。アメリカでも食べた。モスクワでも、大型で大味のロールキャベツがでた。ドイツでは、ケスラーシスターズという姉妹が、ロールキャベツをご馳走してくれた。
 
 イベット・ジローは、「ロールキャベツは私のお得意よ」といった。スウェーデンの夫人が、テレビの料理番組でロールキャベツのグラタンを作ってみせた。子どものとき、母も作ってくれた。(本書 p.9)

 シンクロニシティにもほどがある……。キャベツの中に何を入れるかは、国によって異なるようだが、石井好子さんによると、「子どもにはあいびきの肉、中年以上は牛肉、老人にはトリ肉がよいだろう。」とのことである。やはり豚肉という選択肢はないのか……。

 ところで、「桜庭ほんぽっ!」の今週の姑だが、これは本気で怖い! 先週の姑は「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」などという戯曲もあるくらいで、まああんまり怖いとは思わないのだが、今週の姑は本格派だ。逆らったらロールキャベツの中に何を入れられるか分からないような凄みがある。はてさて、お蝶夫人の如き縦ロールの響きがするというその姑の名は? 気になる者は「桜庭ほんぽっ!」に急げっ!