おとろちいのうのう

 先週土曜に神保町さくら水産で聞いた話。
 
 某氏が、職場から引取りを迫られた本数千冊と自宅に置ききれなくなった本数千冊、あわせて約五千冊の置き場に困り、井の頭線沿線某所にセカンドハウスを借りることになった。これが六畳間共益費込みで家賃三万円を切るというすばらしくお得な物件。下手をするとトランクルームを借りるより安くつくかもしれない。
 
 それはいいのだが、そのアパートは築五十年という年代物で、おまけに某氏が借りたのは二階。仮に一冊平均二百グラムとしても五千冊になると一トン、それに本人の体重百キログラムが加わると、はたして築五十年木造家屋が耐えうるものなのか? 人ごとながら心配にならざるをえないではないか。
 
 くだんのアパートは一階(某氏の借りた部屋の真下)も空いているという。ではなぜ一階を借りなかったのかと聞いてみたら、一階は湿気が心配だとの答え。これは実にもっともな話で、セカンドハウスというからには普段は住まないわけで、もし一階の部屋を一ヶ月も外気を入れず閉め切りで放置したならば、クロス装の本なんかは、カビカビで二目と見られない姿になるだろう。夏はゴキブリ天国にもなるだろう。

 そういう意味では二階にしたのは正解ではあるのだけれども、真下の一階には死んでも住みたくないと思う。